装置を汚染するサンプル
昇華しやすい金属(蒸気圧が高い金属)を含むサンプル
金属を多量に昇華させるとQMS分析管や真空計、ビューポートに蒸着し、性能劣化や故障の恐れがあります。
また、チャンバー内壁やパーツにも蒸着するので、チャンバー表面の清浄度が低下し脱ガスが多くなります。
この場合にはチャンバー内壁のクリーニングやパーツ交換が必要となります。
蒸気圧が高いZnやMgは低温で昇華するので、特に注意が必要です。
蒸気圧が高い金属の例(Zn, Mg, Pb, In, Mn, Ga, Ag, Sn, Al, Cuなど)
ハロゲンを含むサンプル
ハロゲン(特にフッ素)を含む成分が脱離すると、ハロゲンがメインチャンバー内や検出器内に滞留してしまいます。
有機化合物を含むサンプル
多量の有機化合物を分解温度以上に加熱すると熱分解を起こし、分解成分が飛散してメインチャンバー内や検出器を汚染します。
メインチャンバーのベーキングやクリーニング、パーツの交換が必要となります。
多量のガスを放出するサンプル
装置を汚染しない成分であってもターボ分子ポンプやQMSの許容圧力を超える量のガスを放出するサンプルの測定は、ターボ分子ポンプやQMSの故障の原因となります。
汚染の可能性があるサンプルを測定する場合、事前測定を行うことを推奨します。
・昇温速度を遅くする。(毎分10℃程度)
・BarモードやScanモードとする。
・試料量を極力少なくする。
・上記のような成分が検出された場合、それ以上に温度を上げない。