PMMAの実験データ
PMMA(ポリメチルメタクリレート、アクリル)の光脱離実験を、装置の原理検証のために実施しました。ここで確認するのは、試料が光を吸収して、波長ごとに異なった成分が脱離することです。
図1はPMMA膜の室温時の光脱離データです。
170nmと210nmにメチル基、エチル基の脱離を確認できます。
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図1 PMMA膜の室温時の光脱離データ
図2は同じPMMA膜の室温時の光脱離データですが、3サンプルを日を空けて測定したときの質量数29を比較したものです。
各測定の間に質量分析計の信号増幅率を変更し、またサンプル調製も別々に行ったため小さな信号にずれが見られました。

図2 PMMA膜の経時変化の様子
図3もPMMA膜の室温時の光脱離データです。このデータは、一つのサンプルを超高真空中に静置したまま、繰り返し光脱離を行ったものです。1回目のデータだけが異なった信号形状をしています。
また、光脱離測定後のPMMA膜の膜厚を測ったところ、1回の光脱離測定で4nmの膜厚減少が見られました。
このことから1回目が大気の影響を受けたPMMA膜、2回目以降が純粋なPMMA膜のデータを示していると考えられます。

図3 同一サンプルを連続して4回測定した結果